Aruyo

専門同人誌は雑誌を駆逐できるか

はてなか何処かで、女性誌の発行部数が減少している事について、読者モデルが自ら発信するなどネットの影響が大きい、という分析の記事を目にしてたんだけど。たまたまた、以前にも話題になっていた [ 醤油手帳 : 醤油をこぼすと染みになる ] 以外になんかこれ系無いかな? と探していたら、昨年末の冬コミ(C89)について取り上げられていた「非オタクでも楽しめそうな創作同人誌」を目にして、女性誌の話と脳内でリンクした。

スカッドミサイルの詳細を記した同人誌とかも気になっていたけど、そういう専門書的な同人誌ってのは以前にもあって。それらを目にした時でも「出版社が出す専門書を駆逐する」という予感まったくしなかったんだけど、今回のようなキュレーション ( curation ) という言葉で括られるような評論本がいろんなテーマで同人誌に降ってくるのはちょっと様相が違ってきたなあ、と感じた次第。

評論なんてのは人によって変わるものだから、ラーメンひとつとってもいろんな人がこういう同人を作ってみると面白いかもしれない。読者は比較して自分好みのキュレーターを選べばいい。宿と食べ物などテーマを合わせればそれぞれが特集で「くくり」が雑誌みたいなものだろうか。こうした同人誌が増え、気軽に集める手段が出来れば、雑誌を買う意味が薄れてくるかもしれない。案外、雑誌の敵は同人誌だったりして ?

別に同人誌でなくてもネットにサイトを持つのも同じようなもんだろうけど、手元に好みのものを寄せておくというのはサイトのブックマークよりは書籍(電子書籍も含む)という形態のほうが向いている。それに、サイトでは維持が負担になるし課金も手間だ(広告は嫌われるし)。制作に集中できる売り切りに近いのが理想だと思う。コンビニのつまみの本のような、食べログではやらなそうな掘り下げ方もできるし。

ただ、既存の雑誌はやはり「法人」が制作するというところで、住み分けはできそうだから残るんだろうなあ。取材にリソースやコネが必要なテーマだと同人では太刀打ちできないし。出版社こそ電子書籍でどんどんそういう出し方をしてくれると良いんだけどね、個人的な理想を言えば。

それでも、より細分化した小さなものが生き残る形で占めていく予感がするかな。今までみたいな幅の広い「あれもこれも」が一冊にまとまったものはますます苦しくなっていく気がしてて。そう、音楽で言うなら単曲買いが中心でアルバムの意味が薄れているような感じで(両A面とか言うのなんかもう糞食らえだ)。

専門同人誌の勃興に期待。