財産は持つものじゃない
先日、敬老の日に呼んで数日ほど過ごした祖母が本格的に来た。ケアハウスに入居できるまでの間ということだけど。こういうのは順番待ちが当たり前だし、しばらくかかるだろう。
さておき、思わぬ三世帯同居。滅多にないことだし、多少の不便も経験と思って問題には感じていない。足腰はすっかり弱って寝ていることが増えていたが、食事も会話もしっかりしていて介護らしい介護が必要ないのはなんともありがたいことだ。
でも、腑に落ちない事がどうしても頭に引っかかっている。身内の恥をさらす感じだが敢えて書いてみる。
一時期、祖母はどういうわけか「孫は要らん」と私等兄弟と従姉妹を問題にしていたらしい。それなのにあっさりとやってきた。むしろ、喜んでいるふうでもある。
間に何があったのかな ?
正直よくわかんない。親はいままでそのへんをさっぱり語って無かったし、今更聞いても「心配ない」といか言わないし、隠してたんじゃねーの的な。
その間の大きな転機は祖母の家の売却がくらいしか思いつかない。不動産屋のちらしには「古民家風」家屋付きの土地として580万で売られていたけど、祖母が売ったのは300万程度でそのうち半分はもう使ってしまっただろうとのことだ。私は叔母の嫁ぎ先がほとんど持って行ったのだろうと思っている。
聞けば、叔母の再婚先で同居していた間はほとんど外出もせず、食事も自室で独りだっのかトイレ以外はほとんどこもりっきりだったとか。前から杖つきとはいえ運動量も会話量も激減している。
悪く言えばこれは幽閉だ。
高齢になって足を骨折しても、ダンベルでリハビリしたり鍼灸の勉強を欠かさなかったりと、祖母はわりとアクティブなほうだと思っていたので、この急な衰えは老衰だけでなくそれも大きな理由だと納得した。
実際は違うのだろうが、一人暮らしがだいぶきつくなっていたのかもとはいえ一応は現役の鍼灸師としてで営んでいたのを、うまいこと仏壇や孫の問題にして自分のところに呼び寄せてから土地を売り、手に入れるものを入れたらあとは用済みだから「どうぞどうぞ」とあっさり手放したと、私には思えてならない。
仏壇の時なぞ「任せてられん」と言う勢いと聞いていたし。
今や、邪魔だからと荷物ごと押しつけてきた感すらしてきた。
大方、信心深い祖母に仏の道をダシにして言いくるめたのだろう。その土地でできるカネを目当てに。叔母がどういう経緯で再婚したのかも知らないし、詳しいトラブルについてもまったく聞かされていないので正しくないかもしれないけれど、私の目にはそう映った。
億単位の財産なら女中から女子高生までが名探偵になれる火サス的などろどろの相続展開とかありそうでもあるけれど、実際にはプリウス1台の車両価格くらいでもこんな泥沼が起きるんだ、ということを目の当たりにした。
ああ、財産なんて持つもんじゃない。
余計なトラブルに遭いたくなければ。
死ぬ間際にはPCとネット環境があればいいや。
あれ、終の棲家はネカフェかよ!!
エロ画像の消去だけは忘れないようにな。