餅踏みと選び取り
弟の子が一歳と言う事でやって来た。持ち踏みとか言う行事らしいのだけどそんなの始めて聞きましたがな。転勤族で帰省もごく僅かにしか無かったから親族と長く会ってなかったしそもそも従兄弟は皆年代が近いしご近所でそういうの見てないし住む先々でそんな歳の子と触れ合う機会はほほせ無かったからかな。
もしかして地域独特かとも思ったけど他でもあるみたいだ。埼玉県では餅を背負うとか形を変えて全国的に点在する様なので単に私の無知。筑後は昔だとコメを背負って踏んでいたらしい。
自分のときはやってなかったんじゃないかなあ。あんたは何掴んだとか親から今回いっさい言われなかった。それをなんで急にテンション高くそんな事やるって息巻いてんだか。これが孫パワーか。
甥っ子は草鞋を履かされ弟夫妻に手を取られながら紅白の重なった板餅を踏み渡る(ラップを被せる所もあるみたいだけど今回は伝統的に直踏み)と目の前にはお金や定規なんかが並んだ中から将来の仕事を掴むとな。
おお? なんと言うジョブチェンジシステム? いや神託で職業が決まるってのはなんだはファンタジーだ。そういう漫画どっかになかったっけ? 私はアタゴオル物語の火山から噴火で飛んでくる看板で職業が決まる街を思い出した。あれは確か事前に回しぐるまをハムスターみたいに走り回して権利を得ないとニート確定だったような。職業選択の自由あははん。
さておき甥っ子くんは選ぶ時点で突っ伏して泣き出し、まるで働きたくねえorz といった様(本当にそんなポーズだった)にしか見えなかった。そのorz体勢のまま突き出した腕が指した先にはそろばん替わりの電卓。ただし用意したのが関数電卓なので技術者か数学者かね?
しかも選んだ瞬間の写真をよーく見てみると突っ伏しながらちゃんと人差し指で電卓のボタンを「ポチっとな」している。独裁スイッチかよ。そう嫌がらずにノーベル賞でも取ってくれよな、うん。
主催の親父はただ孫の顔を見て酒を飲みたがっただけみたい。母の方は準備でテンパって半分パニックになっていたし。孫がきたら相手に忙しくて詳細と予定を直前まで聞かされていなかった私とツレが仕出しの手配に走り回ったり人の配送したりとおかげで前日の夜に入れていた予定をドタキャンして奔走する羽目になりまして少々ばかし恨み節をかましておる。
早めに言ってくれれば段取りの打ち合わせできるのにねえ。やらなくてもいいなら省略してよ!!という印象だけが残ったわ。伝統・伝承ってのもこうして廃れていくのかなぁと思った次第。こんなに面倒なら子供がいなくて良かったよと正直思ったもの。
弟夫妻も有給まで使って子供の長距離移動に気を使いながら遠路はるばる大変だったと思う。良い思い出にはなったかもしれないけどお疲れ様! また懲りずに久留米まで来てちょうだいな。