Aruyo

オンデマンドにいこうよ

むかーし昔、NHKの砧で研究されていたというオンデマンドTVの話を聞いた時、TVの理想(或いは将来像)ってのに一番近いと感じていたもんだった。 酒の席だったので記憶があやふやだけど、NGNなんて言葉もまだないしコンテンツは磁気テープがベースで考えられていたものだったと思うけど。

そして、スマートTVの時代である。 TVはますます視聴者をTVに釘付けにしようと様々な番組から宣伝のためにタレントを呼び、もはやすべてが番組宣伝の場と化しつつある。 番組を見て欲しいのか、番組のための番組を見て欲しいのか。 この意味不明はますますひどいものになりそうだ。

私が昔から願う、好きな時に好きな番組を好きなところまで(或いは続きから)見られる、検索から思わぬ番組を知る、なんてのはまだまだ遠いみたい。 そうこうしているうちに、動画主体のサービスに興味が薄れつつあるんだけどね。

なぜなら、インターネット上で提供されるサービスが変化していく速度とテレビの買い替えサイクルを比較すると、前者の方が圧倒的に速いからだ。テレビの買い替えサイクルは5~10年。しかしインターネット上のサービスは毎年どころか、数カ月に一度は新しいサービスの開始やサービス内容の更新が行われる。

今日購入したテレビが、来年始まる新しいサービスに対応できない、というのでは話にならない。もちろん、性能上の制約がある場合は致し方ないが、昨年購入したテレビでも、今年から始まる新しいサービスには接続したい。だから、これからはテレビにも”新たなサービスに対応するためのアプレット”を動作させる仕組みが必要になってくる。

本田雅一のTV Style「スマートテレビ」の論点をもう一度整理してみよう(2) : ITmedia +D LifeStyle

TVが今のTVで在り続ける限りはどうもしないほうが良いという気がしてきた。 時間に合わせて録画してメディアに焼くとか、レンタルで借りてきてダビングするためにプロテクト破るとか、可処分時間をそういう石器時代的な行為に費やすのがいまだに大半でしょ? でも、それで満足している人が多いのならTVと共に緩やかに滅ぶのが自然かな、という気がしてきてる。

私も一応は石器人なんだけどね。 それでも、石器人には「その焼いたメディアいつみんの? 墓場までもってくために、延長を気にしながら店まで車かっ飛ばしたり一所懸命にCMカットの編集したりとか、人生の時間を浪費してるの?」と言いたいわけで。

デジタルネイティブな若手が増えてくるとスマートTVを超えてオンデマンド主体だろうから、もうタブレットやスマホ ("ついで"でPC) でいいんじゃね? みたいな。 まあ、PC化したスマートTVだとセキュリティとかまた問題になるだろうから、セキュリティソフトのメーカーはスマートTVが台頭してくれたほうがビジネスチャンスの到来なんだろう。 できればPCのOSから解脱して欲しいけど。

一方のオンデマンドも、日本のオンデマンドサービスは配信期間が限られていたりセット視聴とか、TV/CATVの配信モデルから脱却してないのがどうかと。 huluとかGoogleTVやAppleTVとかがどこまで揺さぶってくれるか楽しみだけど、結局のところ配信期間が限定されていたりと「いつでも」じゃないからね。

過去のタイトルが網羅して常に用意され、対価さえ払えば好きな時にみられる。 真のオンデマンドは実現できないのかもね。