Aruyo

外出先から自宅の光でんわを受発信する

NTTからレンタルされるHGW ( ホームゲートウェイ ) が意外と多彩で、SIPサーバとVPNサーバを使ってひかり電話を出先で使ってみようの巻。個人事業など仕事で使っているならタウンページや広告などに載せている固定電話番号を外回り中に持ち出せるので結構便利ではないかと思うんだけど。


先日、ルータの管理画面をみてSIPサーバ機能があると気づいたのでやってみる事にし、ちょっと間が開いてしまったけどようやく実施してみた。所謂FMC ( Fixed Mobile Convergence ) ってやつだ。念のため調べてみたら、NTTのサイトにちゃんと機能紹介してあるのね。設定見つけてワクワクした自分がちょっと馬鹿みたいだわ ! 5年ちょい前くらいだろうか、FMCって言葉を知って未来だな ! と思ったものだけど、なんだか随分とチープでフレンドリーになって手出しやすくなってんだな、私も老けたよ...。

認定アプリも東西で二社あったんだけど、会社の所在地が西日本ってだけでAGEphoneを選択してみた。回線が西日本だからって安直やなあ、うん。

セットアップも実にシンプルで、スマホがHGWのWiFiに繋がっていれば「起動したらプリセットを選ぶ」とあとは自動的に子機登録が完了する。HGWの管理画面にアクセスして何かしら設定する必要はなく、念のためにHGWを見てみるとちゃんと内線番号とMACアドレスが記載されていた。内線番号などを変更したい時もAGEphoneだけで完結しそうな気がする ( 簡易設定の再取得で番号指定とかかな? ) ので今度試してみようと思う。

具体的な手順はNTTのサイトに用意されているのでそちらをどうぞ。

アプリの「高度な設定」をみるとコーデックやQoSなどといった設定項目が並んでいるので、音声の遅延があるなら調整してみることもできそうだ。DTMFも選択できるのね、ガイダンスなどトーン信号で制御する機器なんかを持っていて必要なら変更も可、と。例えば、昔だと自宅に電話かけてVHSの録画予約があったけど、今もそんな感じのあるのかなー ? もう化石のような気もするけど。リモートで留守録を再生できる電話機なんかもだな。

試しに携帯を借りて自宅にかけてみると、固定電話機よりほんのちょっと遅れてスマホのアプリが鳴った。なんだよこれ、実にあっさりしすぎや。お古のスマホにも入れてみたら、ちゃんと内線もできた。うむ、動作も問題ないぞ、こんなに簡単にできる時代になっちまったのかコンチクショウめ。

WiFiの圏外に移動すると「サーバ未登録なので標準電話アプリでかけます」とか出てくる。...私のはデータ専用SIMなんで無理だけどな。IP電話アプリなので携帯電話の着信がきたら保留になるか切れるかする ( 設定次第 ) 。どうせなら標準電話アプリがSIP対応してくれればいいのにと思うんだけどね、モバイルの音声だってもうVoLTEの時代なんだしさ。

さて、スマホで光でんわは完了なので、次。

WiFi圏外でもひかり電話を使いたい場合はHGWのVPN機能で出先からVPNで自宅のLANに「つなぐ」ことでスマホdeひかり電話すればいい。いや、何かしらか制限かけられていたりするかもだし確証はなかったんだけど...たぶん、誰かが詳しく解説してると思いつつ、あえて調べずぶつけ本番でやってみた。

今までは中国からアクセス制限されているサービス ( GoogleやFacebookやTwitterなど ) を利用するのに有料のVPNサービスを使っていたんだけど、HGWにVPNサーバ機能もあるならその必要もなくなりそうだ。HGWへアクセスするためのグローバルIPはプロバイダの固定IPサービスを使うなり、自宅のPCを電源入れっぱなしにしてレンタルサーバに現在のIPを示すスクリプトでも書いて定期的に更新させておくとか、DDNSを使うとか、サーバがなければIPが変わったらPCからメールを送信させるとか、いくらでもやりようがある。

HGWの管理画面でVPNサーバ設定を表示し ( HGWのメーカー型番によって違うかもなので自身で調べてくれ ) 、VPNアカウントを作っておく。スマホ側のVPN設定はL2TP/IPSec PSKとなるのでタイプはそれを選択し、サーバアドレス(HGWのIPアドレス)とVPNアカウント、PSKなのでHGWの「事前共有鍵」の項目で表示される鍵文字を忘れずに設定する。

テスト機のWiFiをOFFにしLTE状態になったらVPN接続をしてみる。接続に成功したら、キャリアのLTE回線経由で自宅でネットに繋いでいるのと同じ状態になるわけだ。試しにIP確認サービスのwebにアクセスしてみてみると、LTE接続のスマホでも自宅のHGWに割り当てられたIPアドレスが表示される。speedtest.netで計測したら下り7.42Mbps、上り5.67Mbpsと出た。ボトルネックとなりそうな経路点がある暗号化トンネルでも、そこそこのスピードは出ている感。

この状態でAGEphoneを起動すると、ちゃんと光でんわが使える状態になった。その辺の外で内線をかけたら、ちゃんと自宅の固定電話機を呼び出しできた。音声の遅延もわずかで、050のIP電話にありがちな衛星中継並みのズレは無いのでかなり使えそうな感じだ。

とりあえず、思ったよりすんなりと出来てホッとした ! ポートやファイアウォールの問題とかプロバイダによる制限とか色々と予想していただけに。VPNがどんだけパケット量に影響するやら、帯域制限かかると死活問題なのでしばらく活用して推移を見守ってみたい。外線との実験も後でやってみよう。