孤独の人はメルカリをしたらあかん
個人の遺品整理の一環、デジタル遺品の整理。ここのところじわじわと増えてきたお仕事のひとつ。
スパッと捨てて良いと言ってくれているなら楽だけど、大事なデータを残して他だけ消したいとか職場から持ち帰ったセキュアな情報も混じってるからみてはダメとかパスワードさっぱりだとか面倒なの事がたいがいなので、割りがいいとは言えない。
そんな中でひとつひっかかったのがメルカリ。メールが来ているし故人がなにらかしらメルカリをしていたのはわかる。でも遺言執行人が解約してしまっている故人の携帯がないとSMS認証ができず、どうにも進展しないといった状態。
それくらいなら良くある事で珍しくもないのだけど、メルカリは「遺族からの依頼でなければ応じない」という頑なな姿勢で詰む。遺言執行人や後見人でもダメなのだ。
メルカリのご利用者様がお亡くなりになった際は、ご遺族様からご連絡をいただいた場合に限り事務局で対応をおこなっております。
恐れ入りますが、ご本人様確認が困難なことから、ご遺族様以外からのお問い合わせではサポートできかねますので何とぞご了承ください。
お手数ではございますが、ご遺族様からお問い合わせいただきますようお伝えいただけますと幸いでございます。
[メルカリからのメール原文ママ]
今回は故人の葬儀にも顔を出さない遺族で、火葬の最中に退職金の手続きをしろとで電話で急かすくらいに金には執着している。特段仲が悪いとか縁を切ったとか言うわけでもないようだけど、貰えるもの貰えたらと他の面倒は「知らんわ」なのか遺言執行人が憔悴する程。
きっと、その辺を見越して親戚でもない他人から後見人や執行人を指名していたのだと思う。そう、単に故人は「孤独の人」になってしまっていただけなのだ。
しかしこれでは、取引中だった場合でもキャンセルもできないし出品も取り下げられない。何か届いても受け取り完了すらできないので売主にはお金が入らない。逆に処分した家財のどれかが出品中だったりしてたら失礼だ。
だからなんとか整理しておきたかったのだけど、断念するしかない。メルカリには家庭にもそれぞれ事情があって遺族とか簡単にはいかない例もあるというの、想定しておいて欲しかったかなあ。